役員等の雇用保険資格取得
資格取得要件
役員は雇用関係ではなく委任関係であるため原則雇用保険の被保険者となりませんが、一定の要件を満たす場合には被保険者となります。
役員ごとの取り扱いを記載します。
株式会社の取締役
原則として、被保険者としない。
取締役であって同時に会社の部長、支店長、工場長等、従業員としての身分を有する者は報酬支払等の面からみて労働者的性格の強い者であって、雇用関係があると認められるものに限り被保険者となる。
なお、この場合において、これらの者が失業した場合における失業給付の算定の基礎となる賃金には取締役としての地位に基づいて受ける役員報酬が含まれない。
取締役会非設置会社であって代表権ある取締役を特別に定めていない場合には取締役全員が代表権を有し、登記簿上は代表取締役であり、被保険者とはならない。
代表取締役
被保険者とならない。
監査役
会社法上従業員との兼職禁止規定(会社法第335条第2項)があるので被保険者とならない。
ただし、名目的に監査役に就任しているに過ぎず、常態的に従業員として事業主との間に明確な雇用関係があると認められる場合はこの限りでない。
合名会社、合資会社又は合同会社の社員
株式会社の取締役と同様に取り扱い、原則として被保険者とならない。
有限会社の取締役
株式会社の取締役と同様に取り扱い、会社を代表する取締役については被保険者としない。
役員等の雇用保険取得手続き
役員等で雇用保険に加入する事を希望する場合には資格取得届と共に兼務役員雇用実態証明書及び添付書類を提出する。
添付書類は役員としての身分と従業員としての身分の実態を確認できる、とハローワークが判断したものですが概ね下記のとおりです。
・登記簿
・役員報酬の額を確認できる書類(定款・議事録等)
・賃金台帳
・出勤簿
賃金台帳・出勤簿により労働者としての実態を確認でき、かつ役員報酬より労働者としての賃金の方が高ければ被保険者となることが認められるようです。