雇用保険:労働者性の判断を要する場合

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法は適用事業に雇用される労働者を被保険者としてる

このため、雇用される労働者に該当しない場合には、被保険者とならない

労働者性の判断を要する場合の具体例は次のとおり

取締役及び社員、監査役、協同組合等の社団又は財団の役員

役員等の雇用保険資格取得

生命保険会社の外務員等

生命保険会社の外務員、損害保険会社の外務員、証券会社の外務員、金融会社、商社等の外務員等については、その職務の内容、服務の態様、給与の算出方法等の実態により判断して雇用関係が明確である場合は、被保険者となる

この場合において、雇用関係が明確であるためには、単に固定給が支給されること、就業規則があること出勤義務があること等の一、二のみをもって判断されるべきではなく、職務の内容及び服務が事業主から支配を受け、その規律の下に労働を提供するものであって、会社に対する損害や成績不良につき一般社員と同様な何らかの制裁を受ける場合とするこれらの者が出勤と称しても単に委任の規定による受任者の報告、受任者の受取物引渡しのためでないかについて検討しなければならずまた、固定給的報酬を受けていても、委任関係に基づく報酬の一部となることもある

これらの者の雇用関係の有無についての一応の判断を示せば次のとおりである

生命保険会社の外務員

その職務の内容、服務の態様、給与の算出方法等からみて雇用関係が明確でないので、通常は被保険者とならない

しかし、次のに掲げる生命保険外務員については、雇用関係が明確であると認められるので、これらの事業主又は労働者から申出があった場合は、その実態を確認の上、被保険者とする

支部長その他機関長として所属外務員の出勤管理、契約募集業務の指導等の管理監督的業務に従事する者

集金業務を兼ね行う月掛外務員(委任契約によるものを除く)であって次の要件のすべてを満たしているもの

・出勤義務が課されていること
・毎月の賃金額が安定していること

専ら保険契約の募集勧誘に従事する者であって、次の要件のすべてを満たすもの

・出勤義務が課されていること
・業務の活動状況について報告義務があること
・兼業が認められていないこと
・毎月の賃金額が安定していること

 
なお、被保険者資格の取得の確認を行うに当たっては、次の点に留意する

被保険者の範囲、賃金の範囲等については、事業所の所在地を管轄する安定所の長は、主管課を経由して本店所在地の主管課と協議の上決定すること

同一の会社組織に属する者については、同一の種類の外務員である限り、たとえ一部地方の実態が他の地方のそれと若干異なる場合があっても、統一的な取扱いを行うものとすることしたがって、そのの決定があった場合は、主管課は本省及び関係都道府県労働局へ連絡、通知すること

損害保険会社の外務員

通常、専ら募集業務に従事する者であるが、これらの外務員は事業主の指揮監督を受けて労働に従事しなければならないことが多く、かつ、これらの者の受ける報酬は、固定給の占める比率が高いものであるから、これらの外務員は、一般には、被保険者となる

損害保険会社において、募集業務は代理店のみに行わせ、外務員と称せられ、代理店の監督を行うのみのもの

通常、雇用関係が明確であるから、被保険者となる

損害保険会社のうち簡易保険(月掛保険)を取り扱う会社における、簡易保険の募集に従事する外務員

財務省においても、生命保険の外務員と同様に取り扱われており、かつ、その服務の態様、報酬の支払方法も類似しているので、生命保険の外務員と同様に取り扱う

証券業者の有価証券外務員

有価証券の募集若しくは売買又は証券市場における売買取引の勧誘の業務に従事し、一般的には、事業主との間に雇用関係が存在することが多いので、このような者は、被保険者となる(証券取引法参照)

旅館、料理店、飲食店、その他接客業又は娯楽場の事業に雇用される者

当該事業主との間に雇用関係のない者(場所又は衣類の賃借の料金、食費等その者の稼働に関係なく当該事業主に一定額を支払い、自営業若しくは自前と認められる者を含む)は、被保険者とならないが、その他の者は、雇用関係の存在する限り、被保険者となる。この場合、固定給はもちろん、チップ、チケット代等の名目であっても一度事業主の手を通して再分配されるものは、その額の多少を問わず賃金とみなす

家事使用人

家事使用人は被保険者とならない

ただし、適用事業に雇用されて主として家事以外の労働に従事することを本務とする者は、家事に使用されることがあっても被保険者となる

同居の親族

事業主と同居の親族の雇用保険資格取得

授産施設の作業員

授産施設は、身体上若しくは精神上の理由又は世帯の事情により就業能力の限られている者、雇用されることが困難な者等に対して、就労又は技能の習得のために必要な機会及び便宜を与えて、その自立を助長することを目的とする社会福祉施設であり、その作業員(職員は除く)は、原則として、被保険者とならない

在宅勤務者

在宅勤務者(労働日の全部又はその大部分について事業所への出勤を免除され、かつ、自己の住所又は居所において勤務することを常とする者をいう)については、事業所勤務労働者との同一性が確認できれば原則として被保険者となりうる

この事業所勤務労働者との同一性とは、所属事業所において勤務する他の労働者と同一の就業規則等の諸規定(その性質上在宅勤務者に適用できない条項を除く)が適用されること(在宅勤務者に関する特別の就業規則等(労働条件、福利厚生が他の労働者とおおむね同等以上であるものに限る)が適用される場合を含む)をいう

なお、この事業所勤務労働者との同一性を判断するにあたっては、次の点に留意した上で総合的に判断することとする

指揮監督系統の明確性

・在宅勤務者の業務遂行状況を直接的に管理することが可能な特定の事業所が、当該在宅勤務者の所属事業所として指定されていること

拘束時間等の明確性

・所定労働日及び休日が就業規則、勤務計画表等により予め特定されていること

・各労働日の始業及び終業時刻、休憩時間等が就業規則等に明示されていること

勤務管理の明確性

・各日の始業、終業時刻等の勤務実績が、事業主により把握されていること

報酬の労働対償性の明確性

・報酬中に月給、日給、時間給等勤務した期間又は時間を基礎として算定される部分があること

請負・委任的色彩の不存在

・機械、器具、原材料等の購入、賃借、保守整備、損傷(労働者の故意・過失によるものを除く)、事業主や顧客等との通信費用等について本人の金銭的負担がないこと又は事業主の全額負担であることが雇用契約書、就業規則等に明示されていること

・他の事業主の業務への従事禁止について、雇用契約書、就業規則等に明示されていること

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