雇用関係の基礎

労働基準法とは

労働契約で定める労働条件について、最低基準を定めたもの

正社員・パート・アルバイトなど、全ての労働者に適用される

労働契約締結時

賃金・労働時間などの労働条件は、書面の交付により明示しなければならない(労基法15条)

明示しなければならない事項

・労働契約の期間

 期間の定めのある契約をした場合、契約期間は原則最長3年

・期間の定めのある契約を更新する場合の基準(更新の有無、更新する場合の判断基準等)

・就業の場所・従事すべき業務

・始業・終業の時刻、残業の有無、休憩、休日、休暇等

・賃金の決定、計算と支払いの方法、締切・支払の時期

・退職に関する事項

労働時間

休憩時間を除き、「1週40時間・1日8時間(=法定労働時間)」を超えて労働させてはならない。(労基法32条)

※労働者10人未満の事業所で一部の業種(商業・映画演劇業・保健衛生業・接客娯楽業)は、1週44時間・1日8時間まで労働させることが可

休憩時間

労働時間が6時間を超える場合 少なくとも45分

労働時間が8時間を超える場合 少なくとも1時間

(労基法34条)

休日

休日…労働契約上、労働義務のない日

毎週少なくとも1日あるいは4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならない。(労基法35条)

※週によって休日の曜日が異なることも可

労働時間の把握

使用者は、労働日ごとに、始業・終業の時刻を確認し、適正に記録する責務がある。

 
方法

①自ら現認して記録

②タイムカード・ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し記録

③労働者の自己申告により把握

時間外労働・休日労働

法定労働時間(1週40時間・1日8時間)を超えて労働させる場合、あらかじめ、労働者の過半数を代表する労働者又は労働組合との間で、「時間外労働・休日労働に関する協定」を締結し、協定届を所轄の労働基準監督署長に届け出なければならない。(労基法36条)

 
延長することができる時間の限度

1か月 45時間
3か月 120時間
1年 360時間

※特別な事情がある場合は、所定の手続きを経て限度基準を超えた時間を定めることも可能だが、あくまでも「特別な事情」が存在する場合に限る

賃金

名称を問わず、労働の対価として使用者が支払う全てのものをいう。

 
賃金支払いの5原則

①通貨で②全額を③毎月1回以上④一定の期日に⑤直接労働者に支払う。(労基法24条)

割増賃金

時間外労働 1時間当たりの賃金の25%
休日労働 1時間当たりの賃金の35%
深夜労働 1時間当たりの賃金の25%

(労基法37条)

 
1時間当たりの割り増し賃金額(月給制の場合)

(月給額/1か月の所定労働時間)×1.25(又は1.35)

年次有給休暇

雇入れの日から6か月間、継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、10日の有給休暇を与えなければならない。
その後、1年経過ごとに、同様に以下の日数を付与しなければならない。(労基法39条)

 
年次有給休暇の付与日数(週所定労働時間が30時間以上の者)

勤続年数 6か月 1年
6か月
2年
6か月
3年
6か月
4年
6か月
5年
6か月
6年
6か月以上
付与日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日

年次有給休暇の付与日数(週所定労働時間が30時間未満の者)

週所定労働日数 勤続年数
6か月 1年
6か月
2年
6か月
3年
6か月
4年
6か月
5年
6か月
6年
6か月以上
4日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

就業規則

常時10人以上の労働者を使用する事業場は、就業規則を作成しなければならない。(労基法89条)

 
必ず記載しなければならない事項

①始業・終業の時刻、休憩、休日、休暇等

②賃金の決定、計算及び支払の方法、締切り及び支払の時期、昇給に関する事項

③退職に関する事項(解雇の事由を含む)など

労働関係の終了

解雇 使用者の意思表示による
退職 労働者の意思表示による

解雇するには、「30日前に予告」する「又は30日分以上の平均賃金を支払う」必要がある。(労基法20条)

退職時の証明

労働者が退職した場合で、以下の事項について労働者が証明書を請求したときは、遅滞なく交付しなければならない。(労基法22条)

①使用期間、②業務の種類、③その業務の地位、④賃金、⑥退職の事由