離職証明書の書き方・発行
労働者が離職し、失業給付を受給するには離職票が必要です。
事業主が安定所へ離職証明書を提出すると離職票が発行されます。
離職証明書は3枚複写です。
・離職証明書(事業主控)
・離職証明書(安定所提出用)
・離職票-2
労働者が離職した場合、離職票の交付は必須ではなく、離職票が必要な場合のみ発行手続きを行います。
離職証明書の提出は通常、喪失届と同時に提出しますが、喪失届提出後に離職証明書を提出し離職票の発行を受けることも可能です。
離職証明書の作製方法
押印
2枚目の安定所提出用の事業主欄に押印
事業主欄の左の余白に捨印を押印
ハローワークに提出した後に訂正する可能性もあり、提出時に訂正がなくとも、捨印は押印すべきとされています。
15・16欄は本人の署名等が必要ですが、これがない場合には事業主印の押印が必要です。
5欄 事業所等
本社等ではなく、労働者が実際に勤務している適用事業所名(雇用保険資格喪失届に記載してある事業所番号にかかる適用事業所名)を記載する
事業主 欄
事業主名を記載する
法人の場合は法人自体が事業主
離職票受領印 欄
本来であれば離職証明書を提出し、離職票を受領した後に押印or署名するものですが、予め押印or署名した状態で提出することも可能です。
8欄 被保険者期間算定対象期間、9欄 賃金支払基礎日数
離職日から1カ月ごとに期間を区切り記載します。
失業給付の受給資格決定にかかるもので、受給資格がある事が確認できる期間まで記載が必要です。
よって通常は賃金支払い基礎日数が11日以上ある月が12か月に達するまで記載し、離職者が65歳以上の場合は11日以上ある月が6か月に達するまで記載します。
賃金支払基礎日数
賃金支払い対象である日数(出勤日や有給休暇の日数)を記載
土日は休みだが、土日も賃金支払い対象であれば、当然土日の日数を含めて記載
例えば月給者であって、欠勤した場合に 月給×(欠勤日数/暦日数)を控除するような場合は土日も賃金支払い対象であると考えられます。
実際の賃金支払い基礎日数を記載することが原則ですが、以下の要件を満たしている場合は便宜的に歴日数をそのまま記載してよいこととなっています。
月給者
賃金支払い基礎日数が11日以上
欠勤による控除がない
これは8欄・9欄が失業給付の受給資格の有無にかかるものであり、上記の要件を満たしている場合は基礎日数をそのまま記載しても歴日数を記載しても受給資格の有無には影響がないからです。
賃金形態
賃金形態の名称と内容は会社ごとにまちまちですが正式な定義は以下のとおりです。
完全月給
月額が定められ、欠勤しても減額がないもの
日給月給
月額が定められ、欠勤した場合は給与が欠勤控除されるもの
日給
日額が定められているもの
時給
時間給が定められているもの
10欄 賃金支払い対象期間、11欄 賃金支払い基礎日数
基本手当日額算定の際に使用する賃金日額の算定にかかるものです。
賃金月ごとに記載します。
賃金締日で離職した場合以外は一番上の段は1か月に満たない期間となります。
この1か月に満たない期間は賃金日額の算定には使用しないため、12欄 賃金額は「未計算」とし金額を記入する必要はありません。
賃金日額の算定は賃金支払い基礎日数が11日以上ある賃金月が6か月必要であるため、これに達するまで記載します。
基礎日数の記載方法・便宜的取扱いは9欄と同様です。
12欄 賃金額
A欄
月、週その他一定の期間によって定められている賃金・手当の額を記載します。
例えば月給の基本給・月によって定額の手当など
B欄
賃金が労働した日・時間によって算定され、また出来高支払いによって定められている賃金・手当の額を記載します。
例えば日給・時間給・出勤日数に応じる手当など
通勤定期券
例えば6ヵ月定期代を6ヵ月に1回支払いする場合、その額を6で割り各月に割り振ります。
端数が生じる場合、端数は6ヵ月の最後の月に加えます。
7欄 離職理由
離職理由を具体的に記載します。
5欄 16欄
記載内容に相違ないとの証明のため本人の署名or記名押印を要しますが、不可能な場合には代表者印で代えることができます。(離職証明書作成時点で本人が離職していることが多いため。)
継続給付の60歳到達時等賃金証明書・休業開始時賃金月額証明書の本人の署名等を省略する場合は、申請に関する同意書が必要です。
添付書類
・出勤簿 or タイムカード(ただし上記便宜的取扱いにより基礎日数を歴日数とする場合は添付を要しない)
・賃金台帳 or 給与明細
・離職理由を証する書面
提出期限
雇用保険の被保険者でなくなった事実のあった日の翌日より10日以内
手続き後
離職証明書(事業主控)・離職票1及び2・離職者用パンフ「離職されたみなさまへ」が交付されるので、離職票と「離職されたみなさまへ」を事業主から離職者へ交付します。
東京労働局 離職されたみなさまへ(東京局版)