雇用保険上の適用事業・事業主・労働者

適用事業

20001

雇用保険の適用事業とは、労働者が雇用される事業をいう。

したがって、労働者が雇用される事業は、業種のいかんを問わず、すべて適用事業となる。

ただし、農林水産の事業のうち一部の事業は、当分の間、暫定任意適用事業とされる。

 
適用事業の事業主は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(徴収法)の規定による労働保険料の納付、法の規定による各種の届出等の義務を負い、また、適用事業に雇用される労働者は法第6 条各号に該当する者を除き被保険者となる。

事業及び事業主の意義

20002

事業

法において、一の経営組織として独立性をもったもの、すなわち、一定の場所において一定の組織のもとに有機的に相関連して行われる一体的な経営活動がこれに当たる。

したがって、事業とは、経営上一体をなす本店、支店、工場等を総合した企業そのものを指すのではなく、個々の本店、支店、工場、鉱山、事務所のように、一つの経営組織として独立性をもった経営体をいう。

この「事業」の概念は、徴収法にいう「事業」の概念と同様である。

事業主

当該事業についての法律上の権利義務の主体となるものをいい、法人の場合はその法人そのものが事業主であって、その代表者が事業主となるのではない。

また、事業主が数事業を行っている場合、各事業の責任者は事業主ではなく、委任を受けて事業主の代理人となり得るにとどまる。

 
なお、雇用保険に係る保険関係及び労災保険に係る保険関係の成立している事業のうち建設の事業については、徴収法第8条の規定による請負事業の一括が行われた場合であっても被保険者に関する届出の事務等、法の規定に基づく事務については、元請負人、下請負人がそれぞれ別個の事業主として処理しなければならない。

労働者及び雇用関係の意義

20003

労働者の意義

法における労働者とは、事業主に雇用され、事業主から支給される賃金によって生活している者、及び事業主に雇用されることによって生活しようとする者であって現在その意に反して就業することができないものをいう。

雇用関係の意義

法における雇用関係とは、民法第623 条の規定による雇用関係のみでなく、労働者が事業主の支配を受けて、その規律の下に労働を提供し、その提供した労働の対償として事業主から賃金、給料その他これらに準ずるものの支払を受けている関係をいう。

保険関係の成立及び消滅

20006

適用事業の事業主については、その事業が開始された日に、その事業につき雇用保険に係る保険関係が成立する。

また、保険関係が成立している事業が廃止され、又は終了したときは、その事業についての保険関係は、その翌日に消滅する。

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