在籍出向・移籍出向にかかる雇用保険手続き
在籍出向・移籍出向・出向からの復帰については通常の離職と異なるため特に注意が必要です。
在籍出向
在籍出向とは、出向元との関係が継続しており出向元への復帰が予定されているものをいいます。
在籍出向の場合、出向元の雇用保険被保険者資格の喪失原因は離職以外の理由(「1」)となり、喪失原因が離職の場合(「2」「3」)とは異なります。
雇用保険手続き
一の事業主(出向元事業主 以下「A事業主」)との間の雇用関係に基づく被保険者資格(以下「A被保険者資格」)を有する者が、A事業主との雇用関係を存続したまま他の事業主(出向先事業主 以下「B事業主」)に雇用された場合であって、B事業主との間の雇用関係について被保険者資格(以下「B被保険者資格」)が認められることとなった場合には、ごくまれにその者について不利な結果を生ずる場合のあることも予想されるため、これらの者の雇用関係の特殊性にかんがみ次の点について、十分注意が必要である。
A事業主及びB事業主の双方から賃金が支払われる者が失業した場合における基本手当の日額又は高年齢求職者給付金若しくは特例一時金の額の決定の基礎となる賃金日額の算定に当たっては、A事業主又はB事業主のいずれか一方が支払った賃金のみが基礎となるので、2以上の事業主の適用事業に雇用される者については、賃金支払関係をいずれか一方の事業主に集約して処理することが望ましい。
A被保険者資格を有する者がB事業主との雇用関係に基づきB被保険者資格を取得することによりA被保険者資格を喪失する場合及びB被保険者資格を有する者がA事業主の下に復帰することによりB被保険者資格を喪失する場合におけるそれぞれの被保険者資格の喪失の日については、被保険者期間の計算上不利にならないよう十分配慮する必要がある。
在籍出向等の場合における事務処理上の留意点
A事業主の事業所の所在地を管轄する安定所(以下「A安定所」)における取扱い
A被保険者資格の喪失は離職以外の喪失となり、資格喪失届記載の喪失原因(5欄)は「1」(離職以外の理由)となる。
A被保険者資格を喪失した後に離職した場合で、A被保険者資格に係る被保険者期間とその後の被保険者期間とを通算することで失業給付の受給資格が発生する場合にA被保険者期間については離職証明書ではなく期間等証明を発行することとなる。
A事業主の下に復帰した場合におけるA被保険者資格に係る資格取得届の記載に当たっては、取得区分(2欄)には「2」(再取得)を、9被保険者となったことの原因(9欄)には「4」(その他)を記載する。
B事業主の事業所の所在地を管轄する安定所(以下「B安定所」)における取扱い
B被保険者資格の取得に係る資格取得届の記載に当たっては、2 欄には「2」を、9欄には「2」(新規雇用(その他))を記載する。
A事業主の下に復帰した場合におけるB被保険者資格に係る資格喪失届の記載に当たっては、喪失原因(5欄)には「1」を記載し、被保険者でなくなったことの原因(11欄)には「復帰」と記載する。
移籍出向(転籍出向)
移籍出向とは、出向元との雇用関係が終了し復帰が予定されていないものをいいます。また、法律上の定義はないものの転籍出向は移籍出向とほぼ同義です。
移籍出向の場合、出向元の雇用保険被保険者資格の喪失原因(6欄)は離職「2」となります。
離職区分は5Eです。(定年・再雇用期限満了による離職区分と同じ)