離職理由の変更:病気・ケガ

離職票の離職理由が自己都合退職(4D)の場合でも、具体的な離職理由によっては正当理由ある自己都合退職(3C)へ変更となり、給付制限期間が無くなるなど離職者に有利となります。

正当理由ある自己都合退職への変更にはいくつかの規定があり、ここでは病気・ケガ等による離職について説明します。

要領(正当理由ある自己都合退職となる場合)

体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等による退職

如何なる程度の身体的条件が正当な退職の理由となり得るかは具体的事情(被保険者の身体的条件とその者の就いていた業務又はその者が新たに就くことを命ぜられた業務との相互の関連等)によって個々に決定される。

 
要領上の記載はこれのみです。ただし実務上は細かな取り扱いが定められています。

病気・ケガの場合の具体的手続き

病気・ケガによる離職の場合、事業所が離職票を作成する段階では4Dです。

離職者本人が失業給付を受給するハローワークの雇用保険給付課で、病気・ケガによる離職であることを申し出る必要があります。

 
一般的には、離職日時点で通院していた病院で「①病気によってやむを得ず離職したこと」及び「②現在は働ける状態である」ことの証明をもらい給付課に提出することが必要です。

多くのハローワークでは就労可否証明書という書類を失業給付受給者に交付しており、これに医師の証明をもらうようになっています。

就労可否証明書

就労可否証明書はハローワークによって多少の違いはあるものの、重要な項目部分は同じです。

重要な項目とは以下の2点です。

離職日時点において、病状等を勘案し働き続けることが困難であったか否か

現在は、条件によっては週20時間以上の労働が可能であるか否か

「働き続けることが困難であった」という証明がなければ、原則離職理由は自己都合(4D)のままです。

離職日時点にかかる証明のため、当然離職日以後での証明である必要があります。

 
また、週20時間以上の仕事ができる状態であり求職活動を行うことが失業給付の受給条件なので、病気により「全く働くことができない場合」や、「週20時間以上の仕事ができない場合」は失業給付を受給することができません。

この場合は受給期間延長手続きを行い、病気が回復した後に失業給付の受給手続きを行うことになります。

因みに、失業給付制度上の傷病手当は受給資格決定後に傷病によって働くことができなくなった場合に支給されるもので、受給資格決定時点で既に働くことができない場合には支給されません。

 
病状が曖昧な場合には就労可否証明書にどう証明するかは医師次第のため、書いてもらう際は何と証明して欲しいのかをよく医師と相談しましょう。

また、就労可否証明書は診断書と同じく数千円の費用がかかります。

離職日時点で病院にかかっていない場合

この場合、通常医師は「離職日時点での病状」を証明できないため離職理由の変更はできないと思われます。

ただし、要領上添付書類の定めはないため必ず就労可否証明書が必要となるわけではなく、客観的に「離職日時点で働き続けることが困難であった」と判断される場合は離職理由が変更となる余地があるかもしれません。

例えば、以前より精神障害者保健福祉手帳を所持しており、本人の申し出からうつ病により働き続けることが困難であったと判断される場合は、就労可否証明書が無くても離職理由が変更となると考えられます。

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